遅くなりましたが、ヴィンセント様も、お疲れ様でした。
……辿り着いて、しまいましたね。
[喜ばしいことのはずなのに、声にはどこかしら寂しさが滲んでいた。
ただ目の前の戦いのことだけ考えて、駆け抜ける時期は終わってしまったということだ]
あの、せめて――
[戦いを終えた後、召喚者と竜神がどうなるのかはわからない。
――わからないが、再び元の世界へと還ることになるのだろうとは思っていた]
せめてヴィンセント様が、望み果たすところまでは見届けさせてもらえませんか?
[主に勝利を齎すことが、己にとっても最大の望み。
そう、己に言い聞かせるように――それ以上を望んでしまわぬように。
口元の震えを堪えながら、召喚主へ眼差しを向ける*]