― 宿の一室にて ―
[ベッドの枕に頭と耳を載せ、ラヴィは手を胴体の側面にぺったりとつけ、まっすぐ脚を伸ばした仰向けの状態ですぴー…すぴー…と鼻を鳴らして寝ている。…はそこにそっと歩み寄ると、その耳もとに口を寄せ、そっと囁いた]
…ラヴィ、起きてください。カサンドラさんが「ラヴィは人間」と宣言したんですよ、それを聞いたら、いつものラヴィなら「ついに人間になれたのよ!」と飛び起きるでしょう?
[…の声が少しずつ大きくなるにも関わらず、ラヴィは眠りから覚める気配はない。…は軽く溜息をついた]
…全く、相変わらずのお寝坊さんですね、もう。起きないなら身繕いをしないままのぼさぼさの姿を皆さんに見せてしまいますよ、ラヴィ。
[ラヴィがいつも熱心に朝のお手入れをしていることを知っている…は揶揄うようにそう言うと、外出用のケープでその身体を覆ってラヴィの胴体の下に両腕を差し入れ、お姫様抱っこの要領でそっと抱き上げた。]
やれやれ、初めて教会に来たときから、随分と重くなったものです。
[…はラヴィが起きていれば怒り狂ったであろう言葉をつぶやくと、ラヴィを抱いたまま、皆が集まる宿のレストランへと向かった]
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ついに念願の人間になっていてもいいし、ウサギの姿のままでもいい。
とりあえずどちらでもいいように、全裸で皆の前に連れて行く危険は防ぎますよ、ラヴィ。
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