でも、それって逃げじゃないですか。
私が解放されるだけで、本当に国にとって良いことかはわからない。
――どんなことでも願えるのに、その願いを選んでいいのかって。
[結局は自分が楽になりたくて、都合のいい理屈を探しているだけではないか。
そう、他の結論を見出せない自身に対して思うのだ]
……駄目ですね。
あんなに……あんなにずっと、待ち望んでいた機会なのに。
[10年の歳月を費やしても、結局自身は巫女としての姿勢を貫くことすら出来なかった。
あまりに情けなく思えて、言葉の端が震えた*]