[声を張ったら少しだけ胸の中がすっきりした。
もしかしたらこれも師の狙い通りなのかもしれないが、ともかく一度息を吐いて]
"巫女"を……皆に忘れさせることを願おうと、思っていました。
[ぽつ、と語ったのが、いつからか胸の内に浮かんでいた願いだった]
伝承だけを基準に、適性のない者を国の主に据えるより、余程良い方向に向かうはずです。
それに巫女や神殿を護るために費やす人手やお金も、他に回すことが出来るかもしれない……。
[でも、と逆接を口にするのは。
それが希望的観測だとも感じていたからだ]