…… フェリも、俺も。此処を出るような事があったとしても…もう、帰れる場所はないんだ、ね[寂しげな声のそれは独り言のつもりだった。だから、こんな身になっても尚王子から逃れたいと思わない。もはや此処で暮らす友人達位しか自分を必要としてくれていない。外の世界になにがあるのか。なにがあろうが、なにも手に入らない。ならばずっとずっと、彼と彼らと此処に居たい]