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[ 近づくゼファー軍船を見ながら思う。
先ほど、ベリアンは、己は持たざる者だと主張した。
自分とつながるこの"声"は、彼にとって価値のないものなのだろうか。
そんな意地の悪いことを言って、からかってみたくもあるけれど、
「持たぬことこそ、俺の強みだ」と告げる声には、彼の自負が感じられて、何ともベリアンらしいと思った。
おそらくは生育環境に起因する自己評価の低さに拘りつつも、彼は決して後ろ向きではない。]
そんな君が好きでたまらない。
[ つれないところもまたいいのだと、"声"に想いが溢れた。]