……俺、さ。 親父が死んじまって、一人になっちまって、目指してたものがなくなっちまって。 それでも、俺の前には、兄ぃやおっちゃんがいて。 目指すものがあるのが嬉しくて、そこに追いつきたくて、とにかく突っ走ってた。[泣く気配は伝わらない。けれど、声音には確り、今まで抑えていたものが滲み出る] でも、一人で突っ走んのもきつかったから。 同じ夢持って、やり合いながら、一緒に突っ走れるツェルがいるのが嬉しかった。