[少しの間。
彼がその言葉を受け取るだけの間を置いて、言葉を続けた。
続く音には僅かに笑みの調子が乗る。]
無事だそうだ。
顔は見ていないが、フリカデル沖封鎖作戦に同行したらしい。
タクマ。お前さんの養い子は…しぶといな。
[笑み浮かべる調子で告げるそれは、けして悪いものではない。
戦いは結局のところ殺し合いで、戦いに勝つのは常に生き残った者だけだ。
ゆえに男は、シュテルンがしぶとく生き延びたことを喜んだ。もっとも艦が沈んだ以上、彼を逃がした者の力もあったのだろうがと、これは殊更音に乗せることはしないまま。]