>>=13
…あぁ。
―そうか…。
[お前も、という聲に頷きつつ、ソマーリュもやはり吸血種になったのかと嘆息する。
他人の血肉をまだ口にしていない男は、酷い渇きに襲われているが、こちらの聲にそれは窺わせぬよう隠し。]
そうだな、でも嫌な事ばかりではなかったさ。
あの家に行かなければ父上と暮らす事も、お前と過去に出会う事もなかっただろう?
[今の生活も決して楽しい事ばかりではないが、男は順応していた。
存在を望まれている此処での生活は自分にとって楽園でもある。]
はいはい、考えとくよ。
[ソマーリュのリクエストには、くっと喉を鳴らして笑った。]