進言により。というのはお口が過ぎましょう。兄上の目には、私がそれほどまでに頼りなくお映りか。私が臣の言いなりに、ただ諾々と従うだけの者と見えておいでか?[それは悔しさでもあったろう。兄の前で、一生弟であることは変わりない。けれど今や、二人共に成人をしているのだ。兄はそれでも、一人前とは見てくれないのか。相も変わらず、頼りない庇護の対象としてしか思われぬのか。その悔しさを滲ませて、弟はじっと兄を見る。奥の歯は食い縛られ、頬は僅かに紅潮していた。]