― 応接間 ―
[王の間での話し合いより数日の後、侍従を通じて兄からの連絡>>107が齎された。話の内容はスラムで起きた暴動についてとのこと、その用向きを聞いたウェルシュは一度眉を寄せた。
ともあれ兄の呼び出しを拒むことはなく、ウェルシュの姿もまた指定の時に合わせて応接の間へと現れている。久しぶりとの感覚は、さほどなかった。
そもそもが、兄が軍の用向きで国をあければ一月だって顔を合わせぬことはザラである。けれど同じ宮中で、これほどまでに顔合わせぬことは例になく、それを思うとウェルシュの顔は憂いに沈んだ。]
お待たせを致しました。
[ほぼ同時に現れた兄へ向け、まず向けたのは礼一つ。
向かい合ってソファに座れば、兄からは射貫くような鋭い眼差しを向けられた。なるほど、と思う。
なるほど、これが話に聞く兄の威か。>>=7]