お声掛け、誠に光栄の至りでございます。
私は、ご心配には及びません。相変わらずですよ。
[>>=3 筆をとって暫くしてからだろうか。アレクシスの耳元に凛とした声が響く。それを聴くやいなや、唇の端を僅かに歪めて、筆を止めた。
嗚呼、そうではないか。
伝令なんて使わせなくとも。
一番大切な方の声は、直接、私の心のなかに。
学者肌ゆえ、こんなお伽噺めいた事はなかなか他人には言い出せなかったが。
アレクシス自身はこの力を誇りに思い、大切にしてきた。
一時は、自分が巫女姫を思い遣るがあまりに、終ぞ狂ったかと思ったが。力が真実と悟った時は、得も言わぬ恍惚に浸ったものだ。]
そうですか。
遠路の移動、お疲れではございませんか?
ソマリ・フル・アレイゼルは何か申しておりましたか?
無礼なんて―――……無かったでしょうね。
[震える想いで、そう尋ね。続く言葉には、]