確かに、今の状況を思えば内にも外にも思惑は絡み合っているのでしょう。各々が、ただ各々の為に動いているのかも知れない。けれど兄上のお言葉を聞き、私は今、外にばかり気を取られていたことに気が付きました。…信じていたいというばかりでは、現実は動かないと学んだはずですのに。[ふわりと苦笑見せれば、兄はどう返すか。やはり頼りないと思われてしまうのかも知れないが、実際、ここはウェルシュ自身の若さであった。そうして心の裡に思う。やはり素晴らしい人なのだ、と。]