― 親征中 ―アレクシス、そちらはお変わりありませんか?[首都ブラバンドの護りを託した腹心を気遣ったのは、程なくしてデ・モール火山へ真っ直ぐ続く平原に足を踏み入れようという時分だった]此方の天気は上々ですよ。あちら《シュビト》の天候は、デ・モール火山が壁を作っていて窺い知ることは出来ませんけれど。アレイゼル領にて、ソマリ殿に出迎えていただきました。共に往く軍属の皆様方も、熱心に職務に励んでおいでです。ですから――…、ご安心くださいね。[心配性の影の軍師へ、そっと送る柔らかなる響き]