兄上、……ご無事のお戻り、何よりでした。
[顔を見ての最初の言葉は、以前>>0:252と変わらぬようで以前よりも影を帯び、それはウェルシュ自身の精神的な疲労でもあったろう、面会当初からの沈んだ様子のままに、仄かな笑みを兄へと向けた。]
兄上にばかりお任せをして、申し訳ありません。
お忙しかったでしょうに、
[実際、ウェルシュは暗殺未遂の後に暫し奥へと離されてしまっていたから、王宮内が落ち着いたのは兄と官らの手によるものだろう。
だからと謝罪を置いて、顔を上げる。
兄へ向けるヘーゼルの双眸には、悲しみの色が深い。]