― 回想/15年前 ―[だいじょーぶ、と声が意識に届く。己を包み込むような声。手にも温もりが重なってきた] ……うん、 いなくなったら、 やだよ?[事の次第を聞かされなくても、何かが崩れる予感がしていた。離れた場所のことはどうにも出来ない。だから、近くにあるこの存在だけは、失いたくなくて。縋るような声で呟いた]