― 回想・いつかの夜 ―[村に来るたびにこうして同じ夜を過ごすようになってどれくらいが経っただろう。 険しい顔をして眠る神父――ジムゾンの髪を優しく指で梳いてあげながら、そんな事を思う。 自分の時間を買う割には、指一本触れようとせず。 ただ子犬のようにぬくもりを求めて寄り添い眠る彼が何を考えているのかなんて、そんなの僕には判らない。 判らない、だけど―――]