[――身体がおかしい。
それを感じ始めたのは手首の拘束を解くのを要求し、
その為に触れる指から伝わる体温を感受した頃からだったか。
触れられた箇所が熱い気がする。
下肢を中心にむず痒さが漣のように広がって、
一度意識してしまえば歯止めが利かなくなっていくようで]
…………。
[視線が彷徨い始めていた。
明らかに不審げだが、本人は隠しているつもりらしく]
そ、そーですか。
……同郷だとは思わなかったですね。
まあ、僕は故郷の記憶はないんですけど。
[とりあえず、手近なキッシュをもぐもぐした]