[そうして、手が解かれれば。 自ら直した椅子に座って、手近なキッシュを引き寄せた。 取り皿にとろりとした新玉ねぎのキッシュを取り分けて、 それからおねーさんよろしくディタのお皿にも。 シーフードキッシュは少し考えて香ばしいパンと一緒に。 これも慣れた様子で取り分けると、 両手を組んで故郷の言葉でお祈りを呟きながら――] いただきます、です。