― 廊下 ―[雛を部屋に残し、鍵を掛けて外に出る。機嫌のいい足取りは、庭の方へと向いた。庭の一隅には温室がある。このあたりでは珍しい植物も栽培されているはずだ。その途中、娘を連れた男と行き合い、足を止める。アレクシス・モーガンという名を、記憶の中から見出した。] これから散歩かい? ずいぶんと可愛らしい子を連れているね。[軽く手を上げて声を掛ける。服を着た犬といった風情の娘にも、ちらりと視線を投げた。]