待っていたガイドのローゼンハイムさんの話通り、金屏風に描かれている”黄金虫”様はくえないタヌキのような顔で、傍らの”いろは姫”の細面の美しい顔は、どこか狐にも似ていますね。そして”いろは姫”の左耳には、金色の飾り紐のついた鈴が、”黄金虫様”の右耳にも、同じ鈴があります。もしも目聡い人や、その鈴に見覚えのある人がいたなら、それは、その場にいるペーターという少年の頭にちょこんと乗った、白い狐面の左耳にある鈴と、よく似ていると気づけるかもしれません。