[赴きある門構えをくぐり、からくり屋敷の中に入ると、暗闇に燭台の仄かな灯が揺れています。歴史的に重要な場所などの燭台にはやや明るめの蝋燭が、それ以外の場所には、暗い紙巻きの裸火が置いてあるようです。あちこちに、大きな古い鉛の鈴が吊るされており、表面に、『壱』や『五十』など旧い漢数字が刻まれています。リィン、リン……どこか遠くから、不気味に鈴の音が響いてきます。]