霧が晴れ、周囲の雰囲気も落ち着いて間もなく現れるのは獅子の王。『……よくぞ、我が宿敵たる魔女を鎮めてくれた……感謝する、異邦の者よ』『……先の約の通り、必要なものは叶う限り供しよう』『……必要であるならば、我が眷属の力も用いるとよい』厳かな言葉で告げた後、獅子王はゆるりと尾を振って。『……ただし、要以上に求める事は叶わぬ』『……求めると与えるは、均衡を保つもの』『……要以上に求めるは、それを崩し、多くを乱す』静かな口調で言って、笑うような唸り声を上げた。**