天のお告げ（村建て人）

［ロム・レム17世と隷属の契約を結ばされた、
　数十名の隷属者達は、集い、相談し合った。

　魂の隷属の契約が、解除されないのは、
　ロム・レム17世の魂……つまり、
　脳内の『カイザー』と呼ばれたガルー個体が、
　死んでいないからではないか。

　その可能性に、縋れる根拠はあった。
　『カイザー』は特殊な分裂で繁殖を繰り返す、
　突然変異個体だったからだ。



　紋章にある通り、『双頭の生物』のように、
　古い記憶庫となる自我が、
　新しい行動する自我を生み、それを繰り返し、
　古い記憶と自我は増大し、
　新しい自我に永遠に『継承』されてゆく。


　つまり、ゼラト氏達多くの隷属者の魂の主である、
　ロム・レム17世の脳内にいた
　『カイザー』の記憶と自我を含む、”魂”は。

　今もなお、地球星系のかつての
　『狼月の村』出身者の脳内に、
　『継承』されている可能性がある筈だと>>6#6>>6#7］