[薄い霧をくぐり抜け、明るい方へと近付いていくと、頭上から黄昏色の光が差し込む場所に出る。そして、差し込む光の中央、丁度大人の目の高さ辺りにふわりと浮かぶ球体があった。その球体の表面は滑らかで、磨きこまれた鏡のように周囲を漂う霧の姿を映し込んでいる][近付けば、己の顔や姿も、その鏡に映し出され、ゆらりと揺れる。幾人かが近付いた時、ふいに柔らかい黄昏色の光がふわりと周囲に広がった]