昼頃になると、食堂からカレーの匂いが漂ってきた。
配膳は各自で行うようにとのこと。冷蔵庫に人数分のトマトサラダと、紅茶のゼリーが用意されていた。
ソフトドリンクも適宜に用意されているが、アルコールはない。
管理人に、軍の直属なのかと聞くと、そうではなく、委託らしい。
この島の地権者と、当局は現在も何らかの交渉を続けているらしいが、男はその地権者に雇われているのだと。
そうして、稀に訪れる客人の世話も仕事の内に入るのだと。
それ以外は本を読むだけの毎日であるので、たまの生活の刺激にはいいものですよ、とやはり線細く男は微笑い、自室へ下がった。風呂などの水回りは専用のものが居住スペース内にあるらしい。