― 呪術の真の完成はすぐそこまで ―やがて血を垂らされ更なる朱を交えた心臓はどくり、どくりと脈動を開始する。ドールはその心臓を奪い、王子の抉られた胸元の上へと捧げ持った。赤い、血のように赤い球体が、勝者の下へと届き、願いは何かと、問うはずで。願いを聞き届けた球体は霧散し、その願いはきっと、叶うだろう。