[モニター室でクレメンスから幻を制御しているマジックアイテムを受け取った院長は、集会場でのクレメンスと曾孫とのやり取りを知っていながら、その件には触れずに当たり障りのない話をしていたが。
ヴェルザンディはんは、うちが貰いますえ――と。
そう切り出されれば、ニヤリと性格の悪い笑みを向ける]
『本人が幸せになれるならば、連れて行くのは別に構わないが。
子供が生まれたら、その魔法技術とヴェルの医療技術、両方引き継がせておくようにな。
何しろ、あのゴキブリの生命力と次代を残す本能だけは筋金入りだからな。
40年後か50年後くらいに、また同じことが起きた時に対処できる人材は貴重だ』
[多分、40年後だろうと50年後だろうと100年後だろうと、院長だけは代替わりしないでそのまま健在なのだろう**]