『待ってた… この時を、待っていたんだよ…!!』白々と、夜が明け往く。城の三階、王子の寝所に張られていた結界が解かれ、扉が開く。同時に、焼却炉の焔がより激しさを増し牢獄に居る者たちを誘うように、観音扉が開かれる。焔は酸素を取り込んで、扉から外側へと流れ込んでいく。けれどその時、リエヴルのイドが牢獄の鍵を破壊し、外の森へ続く進路を開いたのだ。処理場から城の中庭へ抜ける森の一本道を走れば、城へ帰ることが出来るだろう。