上層、下層。それぞれに開かれし門を潜ったその先に待つのは、煌きを孕んだ暗黒色の流動体。『柱』たちが現れるや大きく震え、唸るような音を立てたそれに意思はあるや否や。それは、見た目で知るは叶わぬもの。『虚無』の立てる唸りを打ち消すように響くのは、るぅぅぅぅ、という歌うような声。声の出所は、薄紫と薄碧の竜。小さき仔竜の面影残すそれらは、命と心の輝石の化身。一時的に長じ、高めた力で竜たちは命と心を護り支える歌を歌う。中枢が受けとる、世界の住人たちの想いを力と変えて。