休息を経ての呼びかけに、現れたのは獅子の姿をした『王』たるもの。
闘いで受けた傷は既に癒えているようだった。
『……支度は良いのか……ならば、向かうとしよう。
おお、その前に』
こういうと、獅子は一同を見回し、一つ、咆哮した。
合わせて真白の光が弾け、それはきらきらと煌きながら降り注ぐ。
『……我と、我の守護神の祝福を。
彼の魔女の用いる悪しき幻術……その全てを打ち消す、とはいかぬが。
ある程度は、それに対する力となろう』
真白の光が全員に触れて、消え失せると獅子はゆっくりと歩き出す。
森を迂回するようにぐるりと回り、上陸地点とは反対側に位置する草原へたどり着くと獅子は足を止め。
『……この先は、彼の魔女の領域となる。
我が踏み込む叶うはここまで……後は、頼むぞ、異邦人たちよ』