マリエッタさんが病院に着けば、40歳近い孫がいるようにはとても見えない若々しい外見の副院長が出迎えます。
「お疲れ様です、今回は災難でしたね。
この病院内では、業務の邪魔になるからと必要最低限の自警団員しか入ってこないようにしていますので、あなた方も病院の外に出る以外なら自由にしていて構いませんよ。
無理にアーヴァインさんの見舞いに行かなくても大丈夫ですから、ご心配なく」
と言って、ついでに院内スタッフとも連絡が取れる通信端末を手渡した。
「院内では医療機器に影響を与えない種類の電波でやり取りできるこの機械を使って下さい。
携帯電話やそのほかの通信機は、一部の機械に影響を与える危険性があるので、こちらの通信機の電波以外は遮断されるよう構造になっていますから」