出発の号の後、討伐隊は更に陰気を辿る。踏み込む先は、連なる山の合間の渓谷。道なき道を進む最中に感じられるのは、陰気と、不自然な火気の高まり。それらは、旱魃を思わせる周囲の様相からも十分に知れるもの。そうして進んだ先にあったのは、少なからぬ水を湛えた淵持つ渓流。異様な状況と、そこから感じる陰気を訝り調査を、と思うより先、水の中から翼持つものが幾つも飛び出して来た。