ざわり、ざわざわ。船団周辺の波が、不穏に揺れる。直後、海面からいくつもの影が浮かび上がり──。ざっぱーん。なんて書き文字が浮かびそうな勢いで、跳ねた。人間大の、海老が。海老はそのまま甲板へと跳ね上がり、物理的なあれこれを完全に無視して直立二足で立ち上がり、びたん、びたんと跳ね回る。その様子からは、好意的な様子は一切感じられず──向けられるのは、明らかな敵対の意思だった。