[どこか突き放すようにも感じる薔薇の香に、柔らかな香りが交じる。
居候と聞けばほんの僅か眉を寄せたけども、それはすぐに消えた。]
ん……リーザがいいなら、ね。構わないさ。
[ペーターの手紙がなかったとしても、きっと男は同じ判断をしただろう。
女の子なら女性と同居する方が楽であろうし。
この騒動で負った傷を分かち合えるという意味でもカタリナとともにいさせるのが最適と考えていたから。
もし、男の子であればオットーに頼んだかもしれないけども。]
それと……
ん、今はいいや。
[その言葉を告げるのは、きっともうしばらく先。]