[靴を履き替え装備を整える。ベルトがいつもの重量感を伴わないのは、ホルダーの中身が取り上げられたままだからだ。
アレはここに永住する事になれば不要かもしれないが、あと数刻で訪れる結論については今は考えないようにしよう]
…あとは…。
[テーブルの上に目を向け、そこに置いたハンカチを手に取る。
制服が乾いていたのだから、こちらもとっくに乾いていた。汚れは綺麗に落ちていたし、伸ばして干したからシワもほとんどない。
このまま返しても差し支えはないだろうが…]
……。
[何故だか、すぐに返すのは忍びないと思った。
このまま、もう少し持ってていいかな。きっと、すぐに返せとは言われないだろうし、無事に帰る事が出来たら、新しいものを調達して返せばいいよね。その頃には、わたしにハンカチを貸した事なんて忘れてるかもしれないけど]