【墓】 羊飼い カタリナ

［　『少しだけ待ってて』と、彼を待たせて
　　談話室を通り抜け食堂に顔を覗かせる。

　　やはりそこにも誰もおらず
　　残された酒瓶が寂しそうに佇んでいるのが見えた　］

　おっさんのの旅立ちに乾杯
　ばいばい　ディーさん　またね

［　残された哀しみを>>+200埋めてあげる時間も術も
　　今の私には持ち合わせていない。
　　持ち合わせていないどころか、
　　わかってあげることもできなかったのだから。

　　今度会えたら、ほんの欠片でも満たしてあげること
　　できたらいいなと……

　　酒瓶を手に取りそのまま口元に寄せる
　　酌み交わすことが叶わなかった>>+199思いを胸に
　　静かに傾けて口に含む。

　　やっぱり私にはどんな味かわからなかったけれど
　　��寂しい�≠ﾆいう苦い味だけははっきりと
　　いつまでも喉元に残り続けていた　］