― ホートン砦の夜 ―
[これは遠足前の出来事である]
ふにゃふにゃ、もうだめぇ〜
[自分主催の宴会、そしてその後のカード大会で散財しつくした弟の無様の姿を兄、ソマリアードはため息ついて見下ろした。
守護隊長室のベッドは幸いダブルであるが、そこで大の字でよっぱらって寝ている弟。半目になる]
「アラン……、ちゃんと金は持っているのかい?」
そんなぼかぁ宵越しの銭はもたないさぁ〜
ぜぇんぶ、カードですっちゃったぁ〜
[夢見草の香水よりも濃いよっぱらいのアルコール匂い。
これはもう起きないな、とソマリアードはあきらめ顔でため息をついた]