知人ならば特に注目するに値しない、ごく普通の間柄ではないのか?
いや……そんな単純な話ではあるまい。
シェイ殿とアルビン殿は、この村に来る前からの知己だったのだ!
ある日のこと。
シェイ殿が道端にうずくまっているところにアルビン殿が通りかかった。
商「どうかしたのか」
烏「高下駄の鼻緒が切れちまったんだよ」
商「修理するものは…これしかないな」
アルビン殿が取り出したのは黒いベルト。シェイ殿は高下駄をベルトで固定し、急場をしのいだ。
それ以来、シェイ殿はアルビン殿の恩を忘れないようにと、いつも首に黒いベルトを巻いている……のだそうだ。