[誘うと同時に。彼女の右手に己の左手を絡め、ぐい、と強く腕を引いた。それまでのぎこちない動きは捨て。ステップの型もターンの基本もほっぽり出して、裸足で草原を駆ける奔放さのように気ままに足を運ぶ]そのドレス——きれいだ。春の、まだ淡い野原みたいで。シルキーが着ると、朝陽に輝く大気が見えるみたいだ。