[――……あんな幸福が長く続くだなんて、 どうして思ったのだろう。 彼は、きっとそう思ってはいなかっただろう。 自分だけが、それが続くと信じていた。……信じかけていた。 でも、あの根拠のない、愚かしく無防備な幸せは。 ああいう形でなければならなかったのだ。 様々な事を悔やみながらも、――……そう思う]