【墓】 負傷兵 シモン

― 談話室 ―

［暖炉の前の椅子に腰掛け、時が経つのを待つ。

　生きている者は出掛けて行った。
　きっともうすぐ全てが終わる。

　無粋である気がしたので、
　見に行こうとは思わなかった。］

　――ジムゾン。

［君は、俺達が振りまいた呪いも祝福も、
　全て拾って行くのだな。

　全てが終わったその後も、
　果てしない明日を生きるために、
　前へ進むのだな。

　――願わくば、抱えきれぬほどの痛みの果てに。
　君が心から笑える日が来るように……］

［祈るように両手を組んで、
　夜明けが来るのを待った。*］