[>>+237 手に擦り寄る感触は、ふと、遠い記憶を呼び起こす。 『印』刻まれる以前、妹と邪気なくじゃれていた頃の事。 呼び起こされたそれが導くのは、柔らかい笑み] ん……友達……とは、ちょっと違うかな。[さすがに、そう称するのは躊躇われた。 それでも、別格存在であった事は間違いない。 『印』の力──己が未来《とき》の全てを叩き込んででも、と思えた相手は、後にも先にも一人だけだ] ま、俺にとっては、特別な存在だった……というのは、間違っちゃいないが。[特別の意味をどう受け取られるかはわからないが。 偽りない答えを返して、ぽふぽふ、と頭を撫でた。**]