[カレルの手紙を読んだ]>>+210
あいつめ.....そうだったのか。
[リエヴルは五線紙に音符をしたためて、その裏にペンを走らせて手紙を書いた]
カレル
知らなかった。
牡蠣に入る前からオレのことを知っていたなんて正直驚いた。ということは、高いヅラ過激団のハゲ監督の下でピアノ奏者だった頃からということだな。
初めてお前を見ていた時のことを思い出す。本番直前の時期だった。誰もいない暗い廊下の鏡の前でお前は汗を垂らしながら一人で稽古をしていた。なにか神的なものが取り憑いたようなあの瞳。おれは雷に打たれたようにその場から動けなくなってしまった。ベラスケスの絵画を見ているような。神的な経験。
その時のインスピレーションから作曲したのが、牡蠣に入って初めての仕事「牡蠣王女のためのパヴァーヌ」。これはお前にも話していなかったな。実はお前のためにかいた曲だったのだ。
もう一つ。秘密にしていたことがある。座長の命令というのは嘘だ。お前のことがもっと知りたくて、お前とコンビを組ませてくれと頼んだのはオレだ。
コントが終わればコンビは解消するが。
人生のコンビは解消してやらないから覚悟しておけ。
リエヴル