………。 俺はガキの頃、一族郎党集落ごと壊滅したんだよ。 それは…拓ける扉でも壁でも道でもない、ただの破壊だった。 だから、自分でどうにもならないものを痛感しちまってるんだよ。 [ゆえに最悪を想定し、それから逃げ回るのだ。走っていなければあの日の慟哭が、逃げ投げればあの日の地獄が、たちまち蘇ってこんどは己の喉元を裂いてしまう、そんな恐怖に囚われる。沼から這い上がる為にもがいているだけで、終わってしまったけれど。]