[…初めて意識繋がった日のことを、彼は覚えていないだろう。それ程に昔の話だ。未だ彼が幼子の頃の話だ。 ちゃーるじゅ、と。回りきらない舌で名を呼び手を伸ばす幼子の手を取りながら、触れる柔らかで稚い心に隠しきれない笑みを刻んだ日。男は、かけがえのない宝を得た。生涯を捧げるに惜しくない、大切な大切な主君を得たのだ。]