[どれだけそうしていたことだろう。
気付けば涙は止まっていた。
指の背で頬に痕残す雫を拭う]
ぁ……いえ…。
[すまないと言われ>>82、塞がれていた道が開く。
言葉は小さく返すだけに留まり、小さく頭を下げるだけにしてその場を立ち去った。
ありがとうを言えなかったのは、それを紡げるほどには落ち着いていなかったため。
泣いているのを見られた動揺は涙が止まった後も残っていた]
[名前も聞かずに別れたその青年と再会したのは、例の遠足でのこと。
驚いてまじまじと見てしまったのは無理もないことだった*]