[腰に巻きつく水蜜桃の腿。その吸いつくような重みが、熱を宿した圧が心地よい。婉然たる笑みを浮かべて、紅榴候はそのたおやかな首筋へと暴虐を誘う。リエヴルに獲物の喉笛を噛み切る牙はあれど、同族を喰らう趣味はない。だが、紅榴候《一夜の夢》がそれを伝授するというのであれば、これにまさる師《贄》は他になかった。] ああ、容赦など、おれも欲しくはない、 我らが永き夜に幸いあれ──[首筋に接吻け、乳房に掌をあてがい、甘い秘蹟を押し拓く。]