だから、そうはならなかった…なれなかった。お前を憎み、追いながら、俺には違うものが随分増えていたよ。[く、と顔が歪む。泣きたいのだか笑いたいのだか、分からない] だから、俺は、そうはならなかった。[祈るようなその色に大丈夫だとまでは言えぬまま、押し出すように言葉をひとつひとつ音にする]