― 覚醒 ―[途切れ途切れに記憶が蘇る合間に、 もう一度目覚めたような心地がして意識が戻る。]あ、れ…。[見回せば懐かしい士官学校の、自分の部屋。 在りし日そのままの建物に苦笑を零し、起きあがった。]なんだろ、ここ。[死んだ人間が集まる場所としてはあまり聞かないけれど、 ひょっとして、他の人間もいたりするんだろうか。 ひょいと窓を覗いて意識すれば、 どういう仕組みかはさておき、視覚が繋がって、 何人かの姿が見える。 そちらの方へ、ゆっくりと移動していった。]